インタビューの呪い

インタビューの呪い

大学2年生ころからか「いつか幼稚園を作りたい」と言っていた。実際に幼稚園を経営している方と出会う機会もあって、アドバイスをもらったこともあった。その方には40超えてから初めてもいいんじゃない、というようなことを言われ、まあ確かに。とわたしのなかでは「いつか」「自分も子育てを経験してから」「おばさんになったら」という次元の夢になっていった。

それでも、「幼稚園を作りたい」に取って代わるキャッチーな夢が都合よく現れるわけでもなく、そして幼稚園の夢が消えたわけでもないので、事あるごとに幼稚園の話はしていた。

昨年、会社の社員紹介のようなWebページに記事を書いてもらった。はじめてちゃんとインタビューを受けて、自分の言葉が記事になった。社内の記事なので、公開前に自分で内容をチェックさせてもらって、意図した内容からズレる部分は修正させてもらった。タイトルは、幼稚園をつくりたいというところを切り取ったものになった。

ここまで校正もさせてもらって、自分もokを出した記事だけど、最近どうもその記事が、自分の発した言葉が古くなってしまったことが気になって仕方ない。今のわたしは、幼稚園よりも今取り組むべきことを見つけて日々進化しているというのに、昔一度口にして取り上げられた一文が、まったくその夢に向けてアクションを起こしていない自分への叱責に感じることさえある。後ろめたいんだ。もちろんインタビューを受けた時点での自分の考え、自分の言葉であることに間違いはないけれど、その記事のわたしだけが、ネット上でわたしの意見を述べている。現実のわたしは、まがいなりにも日々いろんなことを考え、アップデートされているというのに。

昔はこんなこと言ってたやつが、今こんなこと言ってるよ、矛盾してるんじゃない?という批判、Twitterなんかでよく見かけるが、人は変わる。気持ちも意見も変わる。記録が残るということは、その変わってしまったビフォーアフターを文字にして一語一句比べられるから、変わってしまったことが明らかになりやすい。そのことに少し息苦しさも感じる。そんなこと気にしてたら何も書けなくなる。しゃべれなくなる。

今回のわたしの古くなった言葉は、会社のメディアに載っている。今更修正したり、取り下げたりできない。まあ身内の管理するページなので、お願いしたら消してもらえるかもしれない。もしかしたら今のわたしのインタビューをまた取ってくれるかもしれない。けど、もしこれが自社のページではなかったら?なかなかそうはいかないだろう。他の膨大な情報に埋もれつつも、一生インターネット上に残る。

こんなこと、インタビュー受ける時点で想定しておきなさいよ、という感じだが、何せ初めてのことなので許してほしい。日々インタビューを受けて、いろんなメディアに自分の言葉(を聞き手が受け取って編集したもの)が残っている経営者や有名人というのは、大変なんだな。(もっとも、こういう方々は日々のインタビューにも慣れて、答えも固まってきているし、インタビューを受けることによって少しずつ内容もブラッシュアップされていくようだけれど。それにしても、いつかは古くなる)。

じゃあどうするか、ということで、それはもう常に「最新版」の自分の頭の中を、言葉にして、文字にして、世に発信するしかないんだと思う。わたしは自分のことを知ってもらいたい!という願望が強いくせに、日常的に話すことが苦手なので、文字にするのが良いのかもしれない。そして、そこまでの覚悟をせずとも、ちょっとでも言葉にしたいことは気軽にできるように、自分の管理する場所、どうしようもなく恥ずかしくなったら、考えが変わってしまったら、最悪記事を取り下げることのできるような場所に書くほうが良いだろう。(本当は、いつも仕事で子どもたちに教えているように、一度ネットの海に発信されたことは、消せなくなることも覚悟の上で書かなきゃいけないんだけど)

2017年、小さな営業チームのリーダーになり、所信表明はじめ、チームに自分の考えや大切にしていること、やっていきたいことなど伝える機会も増えた。けれどそういうおおげさな機会でなくても、普段考えたことなど、もっと人と共有していくべきなんだろうな、と実感した一年でもあった。2018年、考えを文字にして、公にすること、ちょっと頑張りたい。常に最新のわたしがそこにいるように。

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自分の手でつくるものへのこだわりと、オリジナルであること

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はじまりのコップという本を読んだ。

ガラス作家の方の話の聞き書き。作家の考えていること、発した言葉、作家を取り巻く人たちや犬たちの話、そして時々出てくる著者の「私」が織り混ざって、不思議な構成。

物を作る人が、何を考えて作っているのか知るのは面白い。別に知らなくたって、できたものそのものが良いと思って買ってもらうのが良いのかもしれないけど、どういうことを考えて、どこで、どんな人に作られたのかを知るのも良いと思う。


わたしは作ったものにロゴのついたタグをつけたりしない。身につける時に邪魔になりそうだし、本当に気に入ってくれた人は、持ち主にどこで手に入れたのかとか聞いてくれるだろうし、買ってくれた人に紹介も委ねたい。今はそう思っている。

けど、ものをつくっているとき、何を考えてそれをつくったか、どこを旅しながらつくったか、ものとしてそこにできあがるまでの日々が見えたら面白いんじゃないかと思うことはある。特に編んでいるものは、各地を飛び回りながらつくっていることも多いし、そういう軌跡が見える、軌跡が見えるように手間をかけるというのは、作り手が見えるところで買う醍醐味でもある気がする。

そういうことをやっていきたいな。編みものって、どこでもできるのが良いんだよ!というメッセージにもなる。ちょっといろんな形を試してみようかな。


最近、オリジナルであることについて考える。本の中で左藤さんも、自分の試行錯誤、技術研鑽が、買ってくれる人にどこまで伝わってるかはわからない、自己満足なのかもしれないというようなことを言っていたが、それでもやっぱりこだわりは大事だと思う。

自分の中でのオリジナリティを守るルールみたいなのが、自然とできてきた。

色を混ぜただけの毛糸は誰にでも作れてしまう。染めるところからやりたい。

あたりまえだけど、どこかでパターンをみて編んだものはオリジナルではない。目数を変えたら良いとか、長さを変えたからよいとか、そういう話ではない。

あたりまえすぎて誇ることでもないから人にも言わないけれど、自分にしか紡げない糸を紡ぎたいと思うし、商品として売る編みものは、そのパターンからしてオリジナルでないといけないと思う。(こんなことを書いたのは、CDジャケットのイラストが巷で問題になっているイラストレーターの話を見かけてもやっとしたから。編みもの界隈でもあるよなあ、と思い。)

そうは言っても、大昔からこれだけたくさんの人がたくさんのものを編んできて、まだ誰もつくったことのないものなんてそうそうない。パターン集をひらけば、何百と模様のパターンもある。結局はそういうものの組み合わせに行き着いちゃうところもあるけれど。自分の中にストックがないと生み出せないしね。そういう意味では、オリジナルのものばかり編んでいてもいけないなと思うこともある。今年の冬は、キットを買ったり、編み図を参考に新しい技術を覚えたりして、勉強になったから、こういうことも必要だ。

、、と、最近考えていたことを文字にしてみた。定期的に棚卸をしよう。

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数ヶ月ぶり、2度目の北海道に来ています。仙台の実家で年末年始を過ごしてからの、仙台空港経由、ニセコに泊まっています。朝起きてこんな雪景色!

ニセコの山ってすごいですね。いくつかスキー場があって、ニセコの全山共通リフト券を買えば、その間を行ったり来たり、ものすごい規模の山全体で遊べるの。(花園という端っこのスキー場から、2つ隣のスキー場に行って帰ってくるだけで、3時間かかったのが今日。もう一つ隣まで行きたかったけど、広すぎた)

高校生の頃見ていた夜中のスノーボードの番組で、よくニセコが映っていて、こんなところで滑ったら楽しいだろうな〜と憧れていた。そこに来ちゃった。

北海道のパウダースノーは世界でも有名らしく、海外からのスキーヤー・スノーボーダーがものすごく多い。ここは日本か?とわからなくなるくらい、日本語以外の言葉がたくさん聞こえる。しかも日本のほかの観光地と比べて、アジア系以外の人たちが多い気がする。北海道すごいなー。

面白かったのは、わざわざここまできてスキーする人は、相当ずっとスキーが好きでやってるんでしょうね、と思いきや、英語でスキーレッスン受けている大人の外国人が多いこと。観光で北海道来て、せっかくだからスキー挑戦してるのかな?パートナーがスキー好きだから連れてこられたけど、自分は初めてってパターンなのかな?よくわからないけど、それが意外で面白かった。

あとは、ツアーに申し込めば、一般客がくるより前の7時半からリフトに乗れて、パウダースノーを楽しめるらしい。わたしは申し込んでないけど、誰もまだ滑っていない朝一番のゲレンデ、そりゃあ気持ちが良いだろうなあ。(ツアーに参加しなくても、非圧雪の上級コースはパウダーふっかふかで十分楽しい)

今回は着いたその日にナイター、2日目は8時間券、3日目は5時間券でゆったりと。今シーズン初滑りだし、普段からあまり運動もしていないので、これ以上は結構体に来そうだった。。久々の良い運動になりましたとさ。

今回の年末年始帰省&北海道旅行のお供は益田ミリさんの「今日の人生」。漫画です。

面白いのと、しんみりするのと、確かに〜と共感するのと、良いバランス。旅の途中で少しずつ(といっても、一話が短いのでたくさん読める)読むのにぴったり。わたしは東京の家、山手線、空港アクセス線、飛行機と4回くらいに分けて読んだ。年末年始にオススメだった本です。

あー北海道楽しかったな。最後の最後に空港でジンギスカン食べ、絶対買いたかったロイズのチョコも買い、ミッションコンプリートです。今度は夏に行きたい。

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