ネガからのデータ化と、未来にうれしい写真について

ネガからのデータ化と、未来にうれしい写真について

引き続き、写真について考えている。

何年も前の記憶だけど、父がたくさんのネガを自分でスキャンしてデータ化していたのを思い出したので、そのスキャナを借りてみた。YASHICAブランドで出ていた、PC不要で500万画素でSDカードに保存できますよというスキャナ。

なんと、今もamazonで売っていた!

2009年から掲載されているので、父もその頃に買ったんだと思う。

結論から言うと、ちゃんと動いたのだけど、埃やキズは入るし、コマごとに露出がアンダー目だったりオーバー目だったりする私のへっぽこ写真に合わせて明るさを調整したりするのが難しくて、今回は自分でのスキャンは断念した。お店に頼んだやつの方がよっぽど綺麗だった。。

父はこれで結構な枚数を既にスキャンしていたみたいで、先日実家に帰った時にパソコンでスライドショーにして色々見せてくれた。わたしが4歳、妹が2歳の頃の写真。公園で持参のおにぎりを食べたり、両親の友人たちとキャンプに行ったり。家の中でのクリスマスや誕生日のお祝いの様子、親戚が遊びにきた日の様子、年賀状用のおすまし写真、幼稚園の入園式や運動会。近所の夏祭りや、温泉旅行に行ってステージでカラオケしているところも。

この頃の記憶は、少しだけある。それこそ今までにこれらの写真を見て後から作られた記憶かもしれないけれど、このリスのぬいぐるみが一番お気に入りだったってことや、お気に入りだった洋服、幼稚園のお友達や先生の名前や顔。何度か引越しているからか、家の中がどうなっていたかという記憶は薄いのだけど、どの家に引っ越しても使っていたモノや洋服、家の外やキャンプ場・公園の景色などはすごく覚えている。

未来に見返して楽しい写真

父が撮ってくれた写真を26年越しに観て、いいなと思ったのはこんなこと。

ばっちり決めた顔だけじゃなくて、ちょっと変だったり、ふざけていたり、真顔だったり、完璧な一瞬じゃなく、自然な一瞬が撮られていること。スマホだったら、失敗したと思って消してしまっているかもしれない写真。

その日の服装や家の中の散らかり具合など、まわりの様子も写っていること。

セルフタイマーで父も入った家族写真。

右下に日付があるもの。そのとき何歳なのか、なんの日なのかがわかるとやっぱり良い。

こういう写真が残っていると嬉しいんだなというのがわかったので、息子のために残したい写真も、こんなことを意識しながら撮るようにしよう。そしてちゃんとアルバムを用意してあげたい。

ひとまず、ハーフカメラで撮った写真は、そのまま全てL判に2コマ並べてプリントして、無印のアルバムにためていくことにした。気に入った写真は大きく印刷して息子のアルバムに入れよう。そしてスキャン化してもらうデータは、スマホ転送よりCDの方が高画質でできるみたいなので(しかも安い)今度はそっちを試してみよう。

フィルムカメラ、2本目のフィルムはあと6枚。明日には撮り終わるだろうか?全部で72枚になる1本、まだ装填してから1週間経っていない気がするけど、既に何を撮ったか覚えていない。色々と設定ミスったな、と思った写真が最初の方に多かったことは覚えているけど、現像出すのが楽しみだな。


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新発売のカメラにひとめぼれして、なぜか57年前に発売されたフィルムカメラを買った

新発売のカメラにひとめぼれして、なぜか57年前に発売されたフィルムカメラを買った

5年ぶりの「カメラ買いました」記事。(ちなみに2017年に買ったRICOH GR2は現役で使っています。5年ごとにカメラ買いたくなる波くるんかな)

今回は、フィルムカメラのお話。

きっかけは、2022年新作フィルムカメラへのひとめぼれ。

先日TwitterでKodakがハーフカメラを出すという情報を目にしまして。

Photo by retopro
https://retopro.co/pages/product-1

かーわいいーー!

レトロでシンプルな形、セージとかクリーミーな黄色とかの今時っぽいくすんだ色味。まず外観に惚れちゃいました。まだ発売前の予約注文だったのですが、発送はアメリカからだし送料がかかるな〜ということで、カメラ好きの妹にもリンク送りつけてみたりして。あわよくば一緒に買うことにならないかな〜なんて目論んでいたのですが、「すぐ使わなくなりそう」と一蹴され、少々冷静になり、再検討することに。

ハーフって?

ところで、ハーフカメラって、ご存知でしょうか。35mmフィルムを使って、35mmのカメラでは1枚の写真を写すところに、半分サイズの縦の写真を2枚写すことができるんです。36枚どりのフィルムを入れたら、72枚写真が撮れるってこと。

これ、わたしが高校生のときに使っていたDiana miniでも撮れたんですよね。(当時はトイカメラにハマっていた)ハーフとスクエアの2種類を切り替えながら使える楽しいカメラです。ちなみに、今回久しぶりに引っ張り出してきて遊んでみたけど、入ってたフィルムが古すぎて、現像出したら全部真っ黒だった。とほほ。多分10年くらい放置していたんだね。。

ハーフカメラで日常を記録したい

さて、フィルムのハーフカメラ欲しいぞスイッチが入ったきっかけはKodakの新しいカメラの「見た目」だったわけですが、「フィルムの価格が高騰するこの時代に、1コマに2枚の写真を焼き付けられるハーフフレームは合っている」という売り文句に絆され、ハーフで1本のフィルムをゆっくり使っていくイメージ、そして生まれたばかりの我が子の様子と、その日の生活や自分の様子を組み写真で記録していくプロジェクトのイメージが自分の中でむくむくと膨らんでいきました。(買う理由を挙げ始めたぞ。)

しかし、アメリカからの送料を含めると7千円を超えるので(今日本でも販売されているようですが、やはり7千円超えます)、そのくらい出したら、もっと良いレンズを載せた中古のフィルムカメラが買えるのでは?と、中古で買えるガラスレンズのハーフカメラを調べ始めました。

60年代のハーフカメラを調べる

そうして調べていくと、1960年代に発売されたOLYMPUS PENシリーズがハーフカメラであること(大学生の時にミラーレスのPEN miniを使っていたんだけど、その歴史は知らなかった!)、RICOHからはオートハーフというのが出ているとか、Canon demiというのもあるとか、色々とハーフカメラの選択肢がわかってきました。上述の、Dianaも60年代のカメラのリバイバルだったみたい。

このあたりのカメラはメルカリにも色々出ていました。整備済みのもので1万円超えるくらい、未確認故のジャンク扱いで3千円とか。私は結局、仙台ヨドバシ隣のカメラのキタムラ中古買取センターで奇跡的にPEN D3に出会ったので、実物を確認して7千円で購入しました。(PENシリーズ何かないかなーと見に行ったら、あまりマークしていなかったD3だけあって、調べたら楽しそうだったのでこれにした、という感じ)

急いで撮るならスマホでいい。ゆっくりいこう。

PENシリーズやオートハーフは、露出やシャッタースピードなどがオートになっていて、写るんですのように何も設定せずにシャッターを切るだけという大衆向けのモデルが多く、元々みていたKodakのカメラともその点は似ているのですが、簡単なのもいいけど、フィルムカメラにそこ求めてないんだよなという気がしてきて。マニュアルで設定するのが楽しそう、カメラの勉強になりそう、と思い始めました。

今まではコンデジやミラーレスでよくわからないままに設定をいじったり、露出補正だけでなんとかごまかしながら撮ってきて、シャッタースピードとか絞りとかISOとかいまいちわかっていなかった。マニュアルのカメラで自分で動かしてみてやっとわかるかな、と思ったのです。(この予想は大正解だった)

そこで、露出計で表示されるEV値を元に、適切な露出になるシャッタースピードと絞りの組み合わせはレンズのリングに書いてある、という、絶妙に手引きをしてくれるカメラの出番。こちらが私が今回購入したOLYMPUS PEN d3です。

Dシリーズは最高級のペンを目指した「プロ仕様のペン」。その最終形態のD3です。32mm, f1.7と、とても明るいレンズがついています。1965年発売って、父親とほぼ同い年やないか。

露出計で露出を測って、それに合わせて自分でシャッタースピードと絞りを設定しないといけない(さらには目測でピントも)という手間はかかるものの、1枚一枚、明るさや被写体との距離、ぶれやすさなどを考えながら撮るというのはやっぱり面白い。ハーフだから、ちょっと心配だったら少し設定を変えてもう一枚撮っちゃえばいいし。

そんなこんなで、”新しい”フィルムカメラで撮ったファーストロール。

近所の郵便局までの散歩も、カメラを持っていくと楽しい。

曇りの日はどうかな、コーンの赤はどう写るかな、ピントはこれで合ってるんかな、、1本目の実験も、現像に出すまで答えがわからないので、どきどきです。

(下3分の1に入っている赤い線は、おそらくスキャン時のノイズ)

買い物帰りの夕方、仙台駅周辺。

こちらも郵便局散歩。とってもよく晴れたお昼時。レンジファインダーだけど、案外覗いた通りに写っているかも?

雲はありますが、とっても明るい中で露出系計は15に近いEV値を指していたので、割と正確に動いているのかな。(元々使われていた水銀電池は現在手に入らないので、LR44というボタン電池を入れています。電圧違うけど大丈夫そう)

ファインダーを覗くと、縦型の窓になっているんです。普通に構えると縦の写真が撮れるって、カメラでは新鮮ですよね。スマホではいつもやっているけど。

今回はFUJIFILMのSUPERIA PREMIUM400(27枚撮り)で撮影。思ったよりも色が濃く、ポストの赤がビビッド!

ファーストロールを終えて

実は、本当の1本目のフィルムはちゃんと装填できていなくて、何にも撮れていないものを現像にだしてしまって無駄にしたし、この実質1本目も、ちゃんと撮れているのか本当に心配だったんだけど、思ったよりも目測のピントも合っていたし、露出もほとんど問題なかったし、全然よかった。

一番のお気に入りは、夫と息子を撮ったポートレートとか、家の中でおむつ換えてるところとかの生活の記録なんだけど、顔が写っているのでここには載せられないのが残念。自分で言うのもなんだけど、本当に良い写真なんです。幸せな思い出がそのまま写っていると言う感じ。現像されて戻ってきたデータを見た時、すっごくうれしかった。

今日載せたデータはお店でスキャンしてもらったもので、プリントお願いしたらどうなるのかとか、家でスキャンしたらどうなるのかとか、フィルム変えたらとか、実験したいことはまだまだたくさん。

2本目は引き続きマニュアル操作を体に染み込ませつつ、後から見返してうれしい普段の生活を積極的に撮るようにしてみている。お散歩で良いと思ったところを切り取るのもやっぱり楽しいから、それも続けるけどね。何せ、72枚も撮れるので!早く撮り終わって現像に出したいですよ。

せっかく撮った写真、インスタはお店のことがメインで載せにくいし、興味ある層もフォロワーとずれていると思うので、こういうパーソナルな話はまたブログに自由に書いていこうかなと思って、2年ぶりの更新でした。またどうぞお付き合いください。

靴下を編み、人に会いに行く

靴下を編み、人に会いに行く

自分からお誘いして、だれかとごはんに行ったり、あそんだりするのが苦手だ。思えば、ずっと。

ありがたいことに、今でもあつまる大学や高校の仲間は、そんなわたしに声をかけて連れ出してくれている人たちなんだ。本当にありがたいこと。

会社では営業職だし、自分のお店でお客様とお話しするのも大好き、得意だと思う。けれど、プライベートは別。わたしなんかが誘っていいんだろうか、嫌がられやしないか、とか、そこまでの関係なのか、とか、そもそも面と向かって何時間も話すなんて、色々と見透かされそうで怖い、とか、今まで言葉にしたことはなかったけど、そういう後ろ向きの気持ちがあって、苦手なんだと思う。特に1対1は。

それに、遠距離恋愛の彼氏ができてからというもの、夜は帰ってFacetimeをするし、週末は会えれば一緒に過ごすし、自分の友達と過ごす時間は(もともと少なかったけれど)さらに激減したと思う。限られたフリータイムに、誰と何をして過ごすのか、考える余地もなく、あたりまえに決まっていた優先順位。

でも、昔の友達、少しだけ知っている先輩、活躍を拝見して、ゆっくり話を聞いてみたいなと思っている知人などなど、本当は会いたいし、話をしたい人がたくさんいる。今年は、そういう人たちに自分から会いに行く年にしたいと思った。

それならあとは声をかけるだけなのだろうけど、やはり冒頭に挙げたような後ろ向きの気持ちは手強い。味方が要る。そんなとき、昨年のうちにFacebookに書いた「靴下編みます、欲しい人いますか」の投稿がわたしを連れ出してくれた。

自分も、家族も、必要な靴下の数なんてたかが知れているのに、わたしはひたすら靴下ばっかり編んでいて、それはお店で売っている毛糸のサンプルとしての役割もあるけれど、やっぱり靴下はだれかに履いてもらってこそ靴下だ。だから、誰かのために編んで、サンプルとしても少しお店に置かせてもらって、最後は誰かに履いてもらおうと思って投稿した。たくさんの友人が反応してくれた。何年も会っていないけれど、Facebookでお互い近況をちらっと知っているくらいの関係性の人たち。自分から、声をかけるにはちょっと勇気がいる人たち。わたしの編む毛糸の靴下に興味を持ってもらえたことは、小さな自信と、お誘いする(ことに躊躇している自分への)格好の口実となった。

そして第一弾。建築家のおしゃれな先輩。大学に入って1年目に、一緒に10日間イギリスに派遣された仲間。

建築家のお仕事はあまり知らないけれど、わたしの大好きな「せんだいメディアテーク」のような、骨組み?柱?が見えている建物なんかも作ってるのかな。ちょっと幾何学的な、透かし模様の靴下なんてどうかな。色は、白。カラフルなものよりも、シンプルなものをセンスよく履きこなしてくれそうな感じ。

イメージがよく沸いたので、まずはこの白い透かし編みの靴下を編ませてもらった。

模様は、手元にあるレースパターンの本からイメージ似合うものを探した。靴下のサイズに合わせてパターンの繰り返しの数、靴下の目数を決める。あとは編む。ちょっとややこしすぎる模様だったし、編んでいるうちはもちゃもちゃと縮こまっているのであまり綺麗ではないんだけれど、編み終わって水通しすると見違えるようになった。
きっとお似合いだろうな、という靴下の完成。

仙台で毎月開いているポップアップショップでも何度か展示させてもらった。真っ白な透かし編みの靴下、いいわね、と気に入ってくださるお客様も多かったけれど、もちろんこれは先輩の靴下なのでお譲りはしない。こんなふうに、単色の糸も楽しいし、透かし編みにするのも良いですよね、というインスピレーションとして活躍してもらった。

東京はいよいよ暖かい日が増えてきて、そろそろ靴下も渡さなければと思った先週、先輩にご連絡して、5年ぶりだかでお会いすることになった。
選んでくれたお店も素敵だった。センスの良い本屋に併設したカフェ。(近いうちにまたゆっくり本をみに行くつもり)

久しぶりにお会いしたうえ、元々ゆっくりお話したこともなかったけれど、建築も編み物も、お客様のために妥協せずに何かを作るしごとであり、一緒にイギリスでの濃い10日間を過ごした後にそれぞれスイスとフィンランドに留学した経験が背骨にあり、これからやってみたいこと、暮らしたい環境など、「良い」という感覚がとても近かったんだなということがわかった。お話しできて、本当に楽しかった。(肝心の靴下もとても気に入ってくれて、つぎの制作に活かして、とお代までいただいてしまった。)

何日もかけて靴下を編み、それが出来上がるころ、自分の勇気も出そろったころにお声をかける、というサイクルは、会いたい人に会いに行くだけの、簡単そうで私には難しいことに立ち向かうひとつの手段。本当に、編み物にはどこまでお世話になるのやら。

 

今回使用した毛糸はこちら:

Kaupunkilanka Rotvalli | itoshigoto powered by BASE

フィンランドKaupunkilankaの毛糸です。100グラムあたり260メートルの中細糸。 靴下にぴったりのブレンドなので、単色で透かし編みの靴下や、段染め糸の靴下のつま先やかかとにもおすすめ。編み込みも綺麗に目が揃いますよ。 1玉100グラムで、両足靴下が編める分量です。 100g / 260m 75% ウール 25% ポリアミド 推奨編み針 3,0mm – 3,5mm ゲージ 22目 = 10cm, 32段 = 10cm ショップの評価