自分の手でつくるものへのこだわりと、オリジナルであること

自分の手でつくるものへのこだわりと、オリジナルであること

はじまりのコップという本を読んだ。

ガラス作家の方の話の聞き書き。作家の考えていること、発した言葉、作家を取り巻く人たちや犬たちの話、そして時々出てくる著者の「私」が織り混ざって、不思議な構成。

物を作る人が、何を考えて作っているのか知るのは面白い。別に知らなくたって、できたものそのものが良いと思って買ってもらうのが良いのかもしれないけど、どういうことを考えて、どこで、どんな人に作られたのかを知るのも良いと思う。


わたしは作ったものにロゴのついたタグをつけたりしない。身につける時に邪魔になりそうだし、本当に気に入ってくれた人は、持ち主にどこで手に入れたのかとか聞いてくれるだろうし、買ってくれた人に紹介も委ねたい。今はそう思っている。

けど、ものをつくっているとき、何を考えてそれをつくったか、どこを旅しながらつくったか、ものとしてそこにできあがるまでの日々が見えたら面白いんじゃないかと思うことはある。特に編んでいるものは、各地を飛び回りながらつくっていることも多いし、そういう軌跡が見える、軌跡が見えるように手間をかけるというのは、作り手が見えるところで買う醍醐味でもある気がする。

そういうことをやっていきたいな。編みものって、どこでもできるのが良いんだよ!というメッセージにもなる。ちょっといろんな形を試してみようかな。


最近、オリジナルであることについて考える。本の中で左藤さんも、自分の試行錯誤、技術研鑽が、買ってくれる人にどこまで伝わってるかはわからない、自己満足なのかもしれないというようなことを言っていたが、それでもやっぱりこだわりは大事だと思う。

自分の中でのオリジナリティを守るルールみたいなのが、自然とできてきた。

色を混ぜただけの毛糸は誰にでも作れてしまう。染めるところからやりたい。

あたりまえだけど、どこかでパターンをみて編んだものはオリジナルではない。目数を変えたら良いとか、長さを変えたからよいとか、そういう話ではない。

あたりまえすぎて誇ることでもないから人にも言わないけれど、自分にしか紡げない糸を紡ぎたいと思うし、商品として売る編みものは、そのパターンからしてオリジナルでないといけないと思う。(こんなことを書いたのは、CDジャケットのイラストが巷で問題になっているイラストレーターの話を見かけてもやっとしたから。編みもの界隈でもあるよなあ、と思い。)

そうは言っても、大昔からこれだけたくさんの人がたくさんのものを編んできて、まだ誰もつくったことのないものなんてそうそうない。パターン集をひらけば、何百と模様のパターンもある。結局はそういうものの組み合わせに行き着いちゃうところもあるけれど。自分の中にストックがないと生み出せないしね。そういう意味では、オリジナルのものばかり編んでいてもいけないなと思うこともある。今年の冬は、キットを買ったり、編み図を参考に新しい技術を覚えたりして、勉強になったから、こういうことも必要だ。

、、と、最近考えていたことを文字にしてみた。定期的に棚卸をしよう。

2008年の作品

2008年の作品

Googleフォトが便利なので、化石のように放置されていたMacBookProを目覚めさせて写真のバックアップを取ってました。そもそもこのMBP自体、大学に入る2011年に買って2015年に就職するまで使っていたもので、なかなかに古いです。そこに保存されている写真ときたら、、さらに数年遡って、2007年のものからありました。10年前!そのころはガラケーで、多分ここに保存されているのはほとんどデジカメで撮った写真。まさか10年後にGoogleフォトで即時に同期できてスマホで見れるようになるなんてね、、思わなかったね。

そして気付いたのは、10年経っても同じようなことしてるな、わたし、ってこと。見てください。2008年につくったもの。

刺し子で「ばねポーチ」?え?どこかで見た。

ついこの間もつくったよ、ばねポーチ。しかも刺し子ブーム、多分以前投稿した記事で、個人的第三次刺し子ブームくらいかも(この写真の2008年が第二次、第一次は小学生の時に手ぬぐいに刺し子で夏休みの雑巾の宿題を出した時だと思う)。そうやって、多趣味なようで、結局同じところをぐるぐるしてるんだよね。

こちらが先日作ったばねポーチ。自分で染めて紡いだ糸を織って、ミシンと手縫いで仕立てた。

仕立て方は前の方が丁寧な気もするし、ミシンは大してうまくなってないけど、この10年でできるようになったことは確実にたくさんある(15歳のわたしよ、安心して)。染めも紡ぎも織りも、全て少しずつやってきて、それを組み合わせて好きなものが作れるようになってきたのはうれしいこと。なんでもまずやってみて、いつかどこかで役に立つ、そう信じている。

きっとここからまた10年も、同じところをぐるぐるしながら、少しずつ新しいものを拾いながら過ごしていくのかな。

うなぎの寝床のもんぺを縫いました

うなぎの寝床のもんぺを縫いました

夏ですし、ジーンズ履いて過ごすよりも涼しいものを、と思い、綿のもんぺを縫いました。福岡のうなぎの寝床さんもんぺの型紙は、きものの幅の反物から無駄なく作れるスリムなデザインです。一枚目は、オークションで他の着物地と一緒におまけで付いていた綿の反物で縫ってみました。


このチェック柄のせいで、パジャマ感が否めませんが、部屋着としては良いでしょう。

そして2枚目はプレゼント用に。結局小さすぎて自分用になりましたが。。

男物のゆかたをほどいて縫いました。

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このゆかたはミシン縫いだったので、できるだけ解く部分を少なくと思い、裾の部分や脇の部分はそのまま使っています。(今回の2枚は、丈こそ違えど、どちらもスリムサイズのものを、少しだけ太めに縫いました)

実は、この浴衣が柄違いであと10枚はあるので(買いすぎ)、プレゼントは大きい方のノーマルサイズでリベンジしたいと思います。