茶色のシマウマ、世界を変える

茶色のシマウマ、世界を変える

この平成の日本に、あたらしい学校をゼロから作ったという方の本を読んだ。ISAKという全寮制のインターナショナルスクール。

ウーマンオブザイヤーを受賞されていたり、何かと話題になっていたので、学校の存在は知っていた。でもどんな人が、どんな想いで作った学校なのか、それまでに何があったのかはよく知らなかったので、新鮮な気持ちで読めた。

そして、大いに刺激を受けた。
共感できる部分もありつつ、自分とは違うレベルの人だな、と自信を失いつつ、、でも最終的には、自分もこんなことをしている場合ではない、まず動かないと。と思えた。

小林りんさんご本人が書いていらっしゃるのではなくて、石川拓治さんという方が、りんさんのまわりの方々にもインタビューをしてまとめていったという形式。非常に読みやすいし、りんさんの魅力がすんなり伝わってくる。(本当に素敵な方!いつかお会いしてみたい)

解決したい課題がある、とか、学生時代はいろいろ頑張っていたけれど、最近目の前の仕事のことしか考えられていないかも、という人におすすめ。

わたしはこの本を読んで、自分の興味のあることにひたすら飛び込みまくり、会いたい人には積極的に会いに行っていた大学時代の自分を思い出し、今の自分と比べて、反省した。
なんのために今ここにいることを選んだのか、その先にどんなやりたいことがあったんだっけ、なかったんだっけ、そういうことを忘れていた。(それほど忙しくもないくせに)毎日に忙殺されていたというか。そして、気持ちだけじゃ、一人で夢として温めているだけじゃだめだな、と思った。

ということで、社会人2年目、次のステップに進むために必要と思われるアクションを、この4月中にさっそく2つ仕込んだ。それについては追って記事を書きます。

ここまで気持ちを奮い立たせてくれて、電車でうるうるしながら読んだ、超オススメの本。

毎日なんとなく過ごしてしまってるな、というときはまず読んでみませんか。
茶色のシマウマ、世界を変える―――日本初の全寮制インターナショナル高校ISAKをつくった 小林りんの物語

私とは何か「個人」から「分人」へ

私とは何か「個人」から「分人」へ

小説家の平野啓一郎さんの、私とは何か「個人」から「分人」へ を読んだ。

「個人」はもうそれ以上分けられない(individual)存在として扱われてきたが、実はコミュニケーションする相手によって、自分の中に複数の「分人」がいるのではないか、という考え方。
コミュニティごとに異なったキャラクターの自分がいるけれど、そのどれか一つが「本物」で、それ以外は「偽物」なのか。演じているだけなのか。もし演じているだけなら、演じている者同士のコミュニケーションばかりだなんて、悲しいじゃないか。

この感覚はとても共感できた。「本当の自分」などどこにもいなくて、たくさんの「分人」が集まって自分を構成している。

わたしは、小学生の時から教室内の複数のグループをふらふらし、高校でも部活・サークルをたくさん兼部してきた。習い事もしていた。両親の仲の良い大人に混じって遊ぶこともあった。比較的多くのコミュニティに属しながら、それぞれの場所での立ち振る舞い方を無意識に使い分けてきていたように思う。あくまで無意識に。

大切なものが多すぎて、一つにはしぼれず、結局確固とした自分はどこにもいないような気持ちがずっとあった。でもそれも、そのどれかが本当の自分のはず、と思うから悩むのであって、顔を使い分けるというよりも、分人の集合で自分が成り立っていると考えれば自然なことな気がしてくる。

本の中では、恋愛とはなにか、とか、自分を傷つけてしまう人の心理とか、いろんな視点から自分と他人と分人についての考察が描かれている。こんなのでいいのかな、と世の中の人たちがもやもやとしていることを言葉にして、共通言語を作ってくれるような本。インターネット・ソーシャルメディアが現れたことによる変化についても触れているので、インターネットにかかわる仕事をしている人には特におすすめ。

読んだ後に残った疑問としては、分人はどこまで細かく分かれられるのか、ということ。最近、久しぶりにあった人に、これまでどのように接していたのかを自動的に思い出せないことがある。継続的に接している人とは、日々分人が更新されていって、次に会ったときに自動的にそれが呼び起こされるということだったが、最近どうもそれがうまく働かないな、というときがある。分人、分けすぎたのかな。

特にややこしいのは、一緒に留学していた先輩。分人の分け方として、日本の社会では年長者かどうかということは大きな分かれ目になると思うが、その人たちとも、海外にいると敬語を意識せずに、英語で話している。日本語に戻ったときに、タメ語でいいよ、という先輩も多い。それでもう、めちゃくちゃである。この人とは敬語で話してたっけ。タメ語だっけ。なんと読んでたっけ。ちゃん付け?結果、微妙なときは敬語とタメ語の中間を使うという荒技にでることも。やっぱり、人間が記憶できる人の数とか、仲良くできる数とか、限界があるのだろうか。

あと、もう一つの気づきは、自分が「先生」と呼ばれる人と仲良くなるのが苦手なわけ。人はお互いにお互い向けの分人をもっているわけだが、わたしは先生と接するとき、どうしてもクラスの中の1生徒という枠を超えられなかった。先生は生徒に対して、「生徒」の1つの分人で接していて、わたしも先生に対して「先生」に向けたざっくりとした分人で接していた。お互いに、それ以上、分人が細かく分化されていくことがなかった。分人は他者との関係性の中でつくられるので、これは半分先生のせい、半分わたしのせいである。どちらが先か、と考えるとまたややこしいが、そういうことだったんだな、と納得がいった。

本を読んでいない方には、はて?ということばかり書いてしまったかもしれない。すみません。
人付き合いに悩んでる人、自分探し中の人、インターネットに関わる仕事の人などなど、良かったら読んでみてください。

kindle paperwhiteデビュー

kindle paperwhiteデビュー

東京暮らしももう直ぐ1年が経とうとしています。早いものだなあ。
7畳半のアパートも、すっきりとしていたはずが、なんとなくものが増えてごちゃごちゃとしてきました。
特に本と書類。本棚がないので小さいチェストの上に積み上がっている状態。
本棚買うか、迷っているうちにまた春がやってきてしまいました。。

この積み上がる本問題、そして常に1冊、時には2冊鞄に本が入っていて重い問題、これを同時に解決するべく、kindleデビューしました!! 

ちょうど春のセールで13,480円。通常は16,280円なので、3千円近くお得になっていました。
しかもプライム会員なら(最近なった)さらに4000円引きということで、今だ!とばかりに注文。
実質1万円切りましたね。ラッキー。

さて、今日は届いたkindleで遊んでいたのですが、良いですね、電子書籍というのも。
kindle届くのが待ちきれなくて、kindle for iPhone(iPhone 6S Plus)でkindle本を読んでみたりしていたのですが、やっぱりkindleで読んだ方が断然読みやすい。
ほとんど紙みたいなディスプレイ。気分が乗らなかったら別の本に切り替えられるし。

これは出張や旅行の時に大活躍だなあ。

あと、スマホやiPadで読むのと違って、読書に集中できるのもよかったです。
他のアプリが入っていないし、通知もこないし。
わざわざスマホに持ち替えて別のことをするのが面倒で、だったら本読んじゃおう、という気持ちになる。

買ってよかったです。
一つ難点は、1-clickで気軽に本が買えすぎて、買い過ぎてしまいそうなことくらいですかね。
春のセールだったのでさっそくまとめて数冊買っちゃったし。。
読み終わるまでは次に手を出さない、などルールが必要ですね。。

これから読む予定の本たちはこんな。

  • 知的生活習慣/外山滋比古
  • How to be a woman/Caitlin Moran
  • 人生がときめく片付けの魔法/近藤麻理恵
  • 21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由/佐宗邦威
  • 下町ロケット/池井戸潤

2016年度はたくさん本を読む年にしたいな。